道草の友(シンガーソングライター・大久保雅永の日々)

ライブ情報: 3/24(Sun)open:17:30 start:18:00 ライブハウスコタン(20:00頃出演)

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 ライブハウス・コタン
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道草な話

 僕が子供の頃、仲間で集まって何をして遊ぶかと言ったら、野球しかなかった。その辺の空き地に集まって、集まった人数だけでやれるルールを決めて、それこそカラスが鳴くまで延々と野球である。小さい頃はゴムボールを使って、グローブは無く、バットは木切れだった。父が山から手ごろな木の枝を切ってきて、鉈で削ってバットを作ってくれたこともあった。いろんな学年の生徒が混じって、時にはケンカしながら夢中になってやったものだ。テレビでやるスポーツ中継といえば、野球か相撲。アニメは巨人の星侍ジャイアンツ、漫画はアストロ球団、男どアホウ甲子園、キャプテンなどなど。そしてゲームは野球盤。とにかく野球物ばかりである。そりゃあそんなものばっかり見て育てば野球好きになりますよね。それに極端な話、ゴムボールと空き地さえあればできちゃうんですよ。あと、野球のいいところは、全員に打席が回ってくるというところですね。全員が主役になれる瞬間があるというのは嬉しいことです。まあ、ピッチャーは全員ができるわけではないですが。

 僕が初めて本物のグローブを買って貰ったのは小学校4年生の時のことです。その頃、何故か無性にキャッチャーがやりたくて、父と一緒に町に一軒しかないスポーツ用品店に行きました。ところが店の人に「左利き用のキャッチャーミットはありません。左利きはキャッチャーにはなれないんです。」と言われてすごくショックを受けたことを憶えています。結局、普通のグローブとバットを買って貰いました。

 野球をやらなくなったのは、中学生になった頃からです。みんな放課後は部活が忙しくなって、それぞれ興味を持つものが違ってきて、自然と野球と疎遠になって行きました。それでも、テレビで野球中継を見るのは好きでした。それは、30歳くらいまで続きました。

 それ以降、野球中継も見なくなってしまいました。今ではどこが優勝したのかも知らないような状況です。なぜ興味がなくなってしまったかというと、それは監督・選手に魅力的な人がいなくなったからかもしれません。特に監督の質は著しく低下していると思います。優勝請負人みたいな監督って今いないじゃないですか。そういう意味では野村監督や星野監督が指揮を執っているチームは見ていて楽しかったです。今は監督にしても選手にしてもみんな大人しくてそれなりで、記憶に残らない人達ばっかりです。それは野球だけの話じゃないですね。社会全体がそうなってきています。つまらない世の中です。