道草の友(シンガーソングライター・大久保雅永の日々)

ライブ情報: 3/24(Sun)open:17:30 start:18:00 ライブハウスコタン(20:00頃出演)

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 ライブハウス・コタン
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道草な話

 コロナ騒ぎが終わった(コロナが終わったわけではない)からなのか、ゴールデンウイークはどこもホテルが一杯で、泊りがけの旅行は諦めた。代わりに日帰り旅行で鎌倉に行くことにした。調べてみたら、最寄駅から普通電車一本で40分くらいで行けるのである。実に手頃な観光地である。

 鎌倉には、学生時代に一度だけ行ったことがある。その時の印象があまり良くなかった。僕は京都や奈良のようなイメージを抱いて行ったのだが、それに比べると随分とこぢんまりとした印象で、訪れた寺院もほとんど記憶に残っていない。そもそも中に入れる寺院があまりなかった印象であった。だからそれ以降、あまり鎌倉という場所への興味は湧いてこなかった。加えて、僕は「鎌倉」と聞くと、必ずグレープの「縁切寺」という曲が頭に浮かんでくるという悲しい習性を持っている。とても暗~い曲で、その曲と鎌倉を結び付けてしまうので、余計に足が遠のくのである。

 しかし、改めて調べてみて、昔訪れた時に巡ったルートが自分に合っていなかったことに気がついた。僕が望んでいるものはひとつ手前の北鎌倉駅周辺に点在していた。そこで今回は北鎌倉駅で降りて寺院を堪能し、続いて鎌倉駅方面へ移動して観光地気分を味わうことにした。

 予想に違わず、北鎌倉駅周辺は実に良い雰囲気だった。人もそれほど多くなく、山を背にして大伽藍が広がる光景はまさに僕が望んだものであった。京都や鎌倉と違うところは、海が見えるところである。少し高台に登ると、低い山々の向こうに湘南の海が見渡せるのである。悪くない眺めだ。

 それから徒歩で鶴岡八幡神社まで移動する。北鎌倉とは打って変わって人の波が辺り一面埋め尽くしている。そして江ノ電は入場制限である。行列に並んですし詰めの電車で城ケ崎海岸まで移動する。それでも海岸からの夕景は素晴らしかった。

 僕らは満足して(そして疲労困憊して)帰路についた。