ユニバーサルスタジオジャパン（ＵＳＪ）というテーマパークがある。できて間もない頃、一度行ったことがあるのだが、その頃は何となく「関西にもディズニーランド的なものを作ってみましたが、本家に比べるとちょっと見劣りしますね」といった趣だった。実際にそう感じたし、その後飲料水の問題などいろいろとイメージダウンなことがあって、遠からず撤退するんじゃないかと思っていた。ところが、すっかり忘れていたのだが、最近になって非常に好調であるという話を耳にするようになった。大人気であるという。そんなに良くなったのならもう一度行ってみようかなんて話していて、駄目もとで健康保険組合の募集（格安チケット）に応募したら見事当選してしまい、ひくに引けなくなって家族三人で大阪まで行くことになった。新幹線代だけで近場の高級温泉旅館に一泊できそうな金額である。これを果たしてお得というのかどうか、何となく釈然としないまま、朝の５時過ぎに眠い目をこすりながら出発した。
ＵＳＪとディズニーランドの違いは、とにかくＵＳＪは貪欲であるということに尽きる。その時人気のあるキャラクターなんかと躊躇うことなくコラボしてしまう。アニメだろうがゲームだろうがお構いなしである。そしてもう一つは「金さえ出せば、どんどんいい思いをさせてあげますよ」という姿勢である。どんなに人気で長蛇の列のアトラクションでも、追加料金さえ払えばすぐに入れる「ＥＸＰＲＥＳＳ ＰＡＳＳ」というのがその代表格である。それを購入するには、入場券（パスポート）とほぼ同額の金額を払わなければならない。それでも結構売れているらしい。これが商人の町の心意気なのだろうか。もちろん交通費だけでヒーヒー言っている僕らには手の出しようもない。だから粛々と行列に並ぶ。生憎この日は３月にしては異常に寒い日で、震えながら順番を待っている。そうすると子供が冷えたせいかお腹が痛いと言い出す。並ぶのを諦めてトイレを探すとどこも大行列である。そんなことを繰り返しているうちに時間はどんどん過ぎていく。結局最低限の目標をクリアしただけで、我々は空しく撤収することになった。
それでもあまり嫌な印象がなかったのは、スタッフの対応の良さである。去年ディズニーランドに行った時に感じたスタッフの質の低下とは対極をなす感じで、マニュアル通りというだけでなく、何となく個人個人がその人のやり方でホスピタリティを発揮しているような印象を受けた。
気分ひとつで物事の印象はガラッと変わる。それを実感した１日でした。
