道草の友(シンガーソングライター・大久保雅永の日々)

ライブ情報: 4/13(Sat)open:17:30 start:18:00 ライブハウスコタン(20:00頃出演)

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 ライブハウス・コタン
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道草な話

 「地球か・・・・何もかもみな懐かしい。」

 この言葉でピンとくる人は、僕と同世代かもしれない。宇宙戦艦ヤマトの沖田艦長が、長い航海の最後に地球を眺めて呟く言葉である。「宇宙戦艦ヤマト」は、僕が子供の頃に放映されたテレビアニメである。調べてみると1974年~1975年の放送となっているのだが、僕が実際に見たのはもう少し後だったような気がする。田舎だったせいかもしれない。第二次大戦で海に沈んだ戦艦大和を宇宙船に改造して地球を救う旅に出るという、今から考えればかなり強引な話なのだが、子供だった僕たちはもちろん夢中になった。その当時は録画する機械などなかったから、見逃したらそれっきりである。高熱で寝込んでいた時も、その時間だけ起きだしてテレビを見た記憶がある。

 なんでこんな話をしているかというと、息子の希望でDVDを借りてきて久しぶりに見たからである。劇場版なので話は恐ろしくツギハギになっている。今見返すと、当時のテレビアニメの常で、絵がすごく雑である。特に大勢の人間が登場する場面などは明らかに手抜きしているのがわかる。そして絵のタッチが回を追うごとに変化していき、気が付けば巨人の星のそれになっている。登場人物の顎が割れているのである。そしてヤマトに至っては、戦闘の度に見るも無残にボロボロになっているのに、いつの間にかすっかり元通りになっている。まあ、文句をつければきりがないのだが、それでもやはり楽しく見ることができた。しかし当時と違って、主人公である古代進ではなく、沖田艦長に目が行ってしまうのは、やはり自分が年をとったからだろうか。時に厳しく、時に優しく、若い主人公達を導いていく姿は魅力的である。そしてそのセリフがいちいちカッコイイ。もちろん戦争という過酷な状況の中だからこそ、その魅力が光っているのだけれど、やはり人の上に立つ人間は肝が据わっていないと駄目だと痛感させられる。僕のようにくよくよしている人間にはとても務まらない。まあ、務める気もないけど。

 とはいえ、僕らもいつの間にか「年配」になり、子供や若者からそういう目で見られる立場になってしまった。特に息子には僕の一挙手一投足を見られている。そう思うと、あまりいい加減なことばかりしているわけにはいかない。親父の威厳を見せないといけない。それはきっと、自分に厳しく生きている姿を見せることではないだろうか。うーん、自信ないな。がんばるけど。