道草の友(シンガーソングライター・大久保雅永の日々)

ライブ情報: 4/13(Sat)open:17:30 start:18:00 ライブハウスコタン(20:00頃出演)

(詳細はお店のHPでご確認ください)
 ライブハウス・コタン
 ホームページはこちら
          

道草な話

 そもそも、地球さんは、人間という生き物をどう思っているのだろうか。火を使うことを覚えたり、作物を栽培し始めた頃は、微笑ましく眺めていたかもしれない。それが次第に勢力を拡大して、地球全体に生息するようになり、木を伐採し、地下資源を掘り出し、他の生き物を駆逐し、地上を建物や道路で埋め尽くし、海や空を汚してしまった。地球さんにしてみれば、非常に厄介なウイルス性の皮膚病にかかったような状態である。もうニコニコ眺めている場合ではない。

 このままでは死んでしまうかもしれない。そう思ったら当然治療しなければならない。何はともあれウイルスを駆逐しなければならない。そのための治療薬を投与する必要がある。いろんな治療法がある。地震津波、気候変動、病原菌の拡散、などなど。ところが数が増えすぎて、オマケに耐性がついてきて、なかなか駆逐することができない。そうこうしているうちに病状はますます悪化していく。困り果てた彼はついに画期的な治療法を考案する。それはウイルス(人間)の中に自滅するための因子を組み込むという方法である。それによってウイルスたちは互いに殺し合ってその数を減らし、ついには絶滅に至る。この治療法には当然副作用があり、彼自身も深いダメージを追うが、長い時間をかけて何とか回復に成功する。

 ところが、話はそう簡単に終わらない。絶滅したと思われていたウイルス(しつこいが人間)は富士山麓青木ヶ原の樹海の奥で、芋なんかを食べながらじっと息を殺して生き延びていたのである。そして再び地球さんとウイルスの壮絶な戦いが幕を開ける・・・・・かと思いきや、ずっとそんな暮らしをしてきたせいで、ウイルスたちはいつの間にか自分たちがこういう暮らしをする生き物だと思い込んでしまった。そして、それは慣れてみると結構快適な暮らし方だったのである。そんなわけでウイルスたちは、深い森の奥で芋を育て、キノコを採り、子供をつくり、幸せに暮らしましたとさ。めでたし、めでたし。

 こんな映画を企画したら、買い手がつくだろうか。つかないだろうな。グリーンピースとかに買われてプロパガンダとかに使われたら嫌だしな。ただ新型肺炎で家に籠もりがちなので、暇つぶしに考えていただけだしな。でもこんなことを書いてると危険思想とか思われて、ネットで袋叩きされるのかな。嫌な世の中だな。