道草の友(シンガーソングライター・大久保雅永の日々)

ライブ情報: 4/13(Sat)open:17:30 start:18:00 ライブハウスコタン(20:00頃出演)

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 ライブハウス・コタン
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道草な話

 コロナ禍の中、ずっと引きこもり生活が続いている。買い物などで外出することもあるが、それ以外はどこにも行かない。仕事はずっとテレワークである。そうなってくると一番手軽な「外」というと、マンションのベランダということになる。洗濯物を干す時にはもちろん出ることになるが、それだけではあまり気分転換にもならない。そこで自然と植物に目が行くようになる。我が家のベランダにも、少しではあるが鉢植えなるものが存在する。
 もともと鉢植えの植物の世話は妻の領分であった。一人暮らしの時からいろんな植物を育てていて、その影響で僕も少しずつ植物に興味を持つようになった。だが、元来ほうっておくと何もしないという性格なので、こまめに世話をしなければならないものは僕には無理なのである。だから一緒に住むようになってからも、自分から積極的に植物に関わることはなかった。
 それがこの状況下で、ちょっと変わってきた。妻は仕事柄、リモートワークなどとは無縁であり、毎日出勤している。そうなると家の中のことに関しては結果的に僕の分担が増えていく。植物の手入れもそのうちの一つになり、毎朝彼らの様子を見に行くことが楽しみになっていった。そしてそのうち、もっと植物を増やしたいという欲求がわいてきた。そんな中、たまたまインターネットで見かけた、アボカドの種を発芽させて観葉植物として育てるという記事に興味を持った。我が家はよくアボカドを食べるので、それを活用すればタダで観葉植物が手に入るではないかと考えたのだ。(もちろん食べるために買っているので、タダではありません。)アボカドのあの大きい種を鉢に植えて、水をやり続けたが一向に発芽する気配がない。1ヶ月を過ぎ、いつ捨てようかと考え始めた頃、ふと目をやると、種がぱっくりと開き、芽が出ているではないか。これには結構感動した。
 すっかり気をよくした僕は、息子が理科の実験でインゲン豆の発芽の観察をしているのを見て、インゲンを育ててみようと思い立った。プランターと土と種を買い込んで、息子と一緒に種をまいた。インゲンはどんどん成長して、これはこの夏はインゲン食べ放題だぞとほくそ笑んでいたら、梅雨に入ってから葉っぱが変色して、どんどん落ちていった。それでも幾らかは小さな鞘ができたのだが、一転して襲来した猛暑の中、すっかり枯れ果ててしまった。
 いろいろと打つ手はあったのだが、そこまでするのはちょっと違うなと思っていた。僕は別に家庭菜園を目指していたわけではないのだ。フン。