道草の友(シンガーソングライター・大久保雅永の日々)

ライブ情報: 4/13(Sat)open:17:30 start:18:00 ライブハウスコタン(20:00頃出演)

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 ライブハウス・コタン
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道草な話

 我が家は、代々ボケ老人家系である。祖父に始まり、父、父の兄弟(叔父達)すべてボケ老人の道を辿って亡くなっている。こうなってくると、当然、次の世代である我々も無縁とは思えない。だから父の葬式の時に集まった従兄弟たちと、この問題について真剣に話し合ったことは言うまでもない。とりあえず、最年長の従兄弟の今後を注視するするという結論でひとまず解散となった。もちろん、半分は冗談である。

 ただ、体質における血筋や家系の影響は間違いなくある。生活習慣によるところも少なくないとは思うが、遺伝子に刻み込まれているものに抗うことは難しい。僕の髪の毛の減り具合なんかは父や兄と酷似している。但し、我々は父方と母方の遺伝子を受け継いでいるはずである。だとすると、希望がないわけでもない。幸いなことに、母方の叔父・叔母らは皆ボケる気配はない。もちろん、今のところということだが。

 自分はボケてきているだろうか?今のところ大きな変化はないようである。もちろん、記憶力は少なからず低下している。リビングからキッチンに移動して、さて、何をしに来たんだっけと思うこともたまにはある。必要なものがあって買い物に出かけて、それだけ買い忘れて帰ってくることもある。でも、そんな話をすると、みんな「そんなのよくあることだよ」と言ってくれる。だから全然大丈夫である。たぶん。

ボケるとかボケないとか以前に、自分の年齢を忘れてしまうことはよくある。以前と変わらない気分で暮らしていて、ふと鏡の中に映っている初老の男を見て愕然とする。日ごろから戒めているのだが(例えば、女性の反応に勘違いしないようにとか)、なかなかうまくいかない。

 恐らくそんなことを気にする必要はないのだろう。好きに生きればいいのだ。そう遠くない未来に、僕はいなくなる。それまでの時間をできるだけ意識がクリアな状態で楽しみたいだけだ。歌ったり、飲んだり、笑ったり、泣いたりして。