道草の友(シンガーソングライター・大久保雅永の日々)

ライブ情報: 4/13(Sat)open:17:30 start:18:00 ライブハウスコタン(20:00頃出演)

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 ライブハウス・コタン
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道草な話

 最近、仕事で外出することが多くなった。大体が取引先との打ち合わせである。時には一人で行かされることがある。これまでそういうことと無縁な立場だったので、少々戸惑い気味である。
 最近はどこの会社も会議室は禁煙である。そして実際に煙草を吸わない人も増えているので、場合によっては何時間も煙草を吸わないことになる。会議中は構わないのだが、終わるとどうしても煙草が吸いたくなる。ただ勝手のわからないビルだったりすると、喫煙場所が見つけられなかったり、あっても大抵屋外だったりする。冬はちょっとつらい。そんなわけで打ち合わせの帰りにコーヒーショップに立ち寄るようになった。
 コーヒーショップでも最近は全面禁煙の店が増えていて、分煙している店でも喫煙席は一杯で座れなかったりする。そんな中、某コーヒーショップ・チェーンは比較的喫煙者に寛大である。場合によっては禁煙席が全くない店もあり、そんな時はどこが喫煙席なのかわからずうろたえてしまうことがある。そしてどこで入っても、きわめて庶民的であり、場違いな感じを抱いて居心地が悪くなることはほとんどない。特に一人で気軽に入ることができるところが有難い。 
 仕事で外出した帰りにそういった店に入る時は、そんなに時間もないし、煙草を吸うのが目的なので、コーヒーを一杯飲んで、煙草を一・二本吸ってサッと出てきてしまう。それが意外と気分転換になることに気づいた。それまでコーヒーショップというところは、ゆっくりと腰を落ち着けて本を読んだりするところだと自分の中では定義されていたのだが、もっと気軽に使うのも悪くないと思えるようになった。まあ、立ち食いそば屋の喫茶店版のような感覚である。値段も安いしね。
 平日の日中、特に昼食時以外にそういう店に入ると、結構いろんな人がいて面白いものである。オフィス街だとやはりサラリーマンが圧倒的に多いのだが、学生や主婦のような人たちも結構いるし、時にはかなり高齢の人が一人でコーヒーを飲んでいたりする。そして、いったい何をしている人なのかさっぱりわからない、といった人も見かける。前に一度、そういう店で隣の席にいた職業不詳のおじさんに、いきなり「煙草が体にいいって本があるの、知ってますか?」と話しかけられて反応に困ったことがある。あの人は話し相手が欲しかったのか、本の押し売りをしたかったのか、新手の宗教だったのか未だにわからない。まあ、わかりたくもないんだけれど。