道草の友(シンガーソングライター・大久保雅永の日々)

ライブ情報: 4/13(Sat)open:17:30 start:18:00 ライブハウスコタン(20:00頃出演)

(詳細はお店のHPでご確認ください)
 ライブハウス・コタン
 ホームページはこちら
          

道草な話

 仕事の日の昼食は外食である。食後は近くのコーヒーショップで本を読むことにしている。気分転換になるし、それが一日の中のささやかな楽しみの一つにもなっている。比較的通勤時間が短いので、行き返りの電車ではあまりじっくり本を読むことができない。だから昼休みはなるべく早く昼食を済ませて、コーヒーショップへ急ぐ。仕事が立て込んで、昼休みに食い込んだりすると、「ああ、今日は本を読む時間がないな」と悲しい気分になる。
 コーヒーショップで読書というと優雅なイメージがあるが、現実はそうでもない。まず、ゆったり座れるような、いわゆる「喫茶店」は高くて使えない。そうなると安いコーヒーチェーン店に行くことになるのだが、皆考えることは同じなので当然混み合っている。店の外まで行列が伸びている時など、ウンザリしてしまう。当然満席のことも多く、立ち飲みで終わってしまうこともあるし、座ったら座ったで、狭いところに詰め込まれるので何かと気疲れする。優雅な時間には程遠い状況ではある。でもそれしか選択肢がないので、そこへ通っている。慣れてしまえば、まあそれなりに快適である。
 僕はそんなに席に座ることには執着していないけれど、席が空くのを虎視眈々と狙っている人もいる。あるいはまず席を確保してから、注文の行列に並ぶ人もいる。コーヒーを持って二階に上がってみたら、空席に見えるところにびっしりと荷物が置かれていることもある。でもそれはまだ親切なほうで、一度何も置かれていない席に座ろうとしたら、隣の席に座っていた女性が突然手で塞いで、「ここいるんです」と叫ばれた時にはさすがにびっくりした。
 空席を待っている人々の対応も様々である。自分の順番を意識している人もいれば、席が空いたと見るや、先に待っている人を無視して突進していく人もいる。まあ、図々しい人や、あざとい人が得をするのは世の常ではある。それでもたまには「席、空きましたよ」と教えてくれる人もいる。そういわれると気分が良くなって、「僕はいいんです、どうぞお先に」なんて口走ってしまう。もしかするとあれも巧みな技なのだろうか。でも、気分は悪くない。
毎日、そんな光景を眺めていてつくづく思うのは、そういう場所、または場面でどんな行動を取るかという性別や年齢による傾向は、ほとんどないということである。本当にその人個人の性格や価値観によって決まってくる。だから得意げに世代や性別でカテゴライズした論評などを聞くと、あまりいい気分がしない。ただ、集団になると図々しくなる人が多いというのは、たぶん正しい。