道草の友(シンガーソングライター・大久保雅永の日々)

ライブ情報: 4/13(Sat)open:17:30 start:18:00 ライブハウスコタン(20:00頃出演)

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 ライブハウス・コタン
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道草な話

喫煙者にとって、受難の日々は続いている。公共の場から喫煙できる場所は次々になくなっている。値段だってどんどん上がっている。震災の時には、煙草も品薄になったし、禁煙推進派の厚生労働大臣は煙草の大増税を高らかに宣言するし、JTはきれい事ばかり言っているし、四面楚歌とはまさにこのことである。「いいかげんにしろ!!」と声高に叫びたいところだが、なかなかそうはいかない。それは煙草がいろんな意味で迷惑をかけているからである。中でも煙草が本人および周囲の人間の健康を害する要因となるという部分が一番の弱みである。これがあるために、喫煙者はなかなか声を上げることができない。肩身の狭い世の中になったなぁと思いながら、小さくなっているしかない。まして子供や赤ん坊がいるような家庭では、尚更のことである。
僕が仕事をしている事務所には、きちんとした喫煙室がある。中には大きな煙を吸う機械があり、その上換気扇も増設されている。使用時間帯も制限されているし、最近では一度に入室する人数まで制限されるようになった。それらのルールを大人しく守って、僕らはひっそりと煙草を吸っているのである。ところが、非喫煙者は追及の手を緩めることを知らない。最近になって非喫煙者の間から、喫煙室の場所そのものが問題であるという声が上がり始めた。煙草を吸った人が喫煙室を出て自分の席まで戻る際に、通路の近くにいる人達が臭いが気になるというのである。確かに、あまり喫煙室の立地がいいとは言えない。誰も行かない廊下の突き当たりにでもあればいいのだろうが、あいにく狭いビルなのでそういう場所は無い。いっそのこと無くしてしまえという意見も出始めている。そのうち本当に無くなるかも知れない。
 そんな中で喫煙室にいる人達の話を聞いていると、意外なことに無くすことに賛成する人が少なくない。そういう人達の言い分は、そうすれば煙草をやめられるかもしれないということである。喫煙室の年齢層はかなり高めである。みんな会社の健康診断やら何やらで、頻繁に禁煙するよう指導されている。実際に禁煙に踏み切る人も少なくない。そういった人達の中で、切迫した事情がない人達が、そういうことを言うのである。だから彼らは本気ではないのだ。
 では、僕はどうするか。今のところ禁煙する予定はない。何らかのきっかけでそういう風に考え出す可能性は否定できないが、今のところはない。僕にとって、煙草とコーヒーは数少ない嗜好品であり、それらに付随する気分や情景が自分にとって必要だと思っているからである。