道草の友(シンガーソングライター・大久保雅永の日々)

ライブ情報: 4/13(Sat)open:17:30 start:18:00 ライブハウスコタン(20:00頃出演)

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 ライブハウス・コタン
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道草な話

年末から年始にかけて、信州の実家で過ごすことにした。実は、この時期にはあまり実家には帰らないようにしている。何故かというと、とにかく寒いからである。あまり雪は降らないのだが、とにかく冷える。昔正月に帰った時にマイナス14度を記録したことがあり、それ以来なるべく冬は帰省しないようにしてきた。信州といえば、見どころは自然であり、ご馳走は山菜である。となると旅行するのに一番いい時期は春か秋であって、冬と夏はあまりいいシーズンではない。まあ、冬は温泉とかスキーとかがあるのだが、温泉はともかく、僕はスキーはやらないのである。温泉は好きだが、正月は非常に混雑するので、これも敬遠したい。となると後はコタツに入ってお茶でも啜っていることになるわけだ。今回帰ることにしたのは、以上のような理由から正月を避け続けたため、そろそろ顔を出しておいた方が良いと思ったからである。ご先祖様にも申し訳ないし、たまには賑やかな正月を両親に迎えて欲しかったという思いもあった。そんなわけで年末にあわただしく帰省したのである。
僕は今まで、密かな自負があった。それは寒さには自身があるということである。何と言っても、そこで高校生まで暮していたのだ。厳冬の朝に、眉毛を霜で真っ白にしながら元気に登校していたのである。だから、田舎の駅に着いてホームに降り立った途端に、体内のスイッチが東京仕様から信州仕様に自動的に切り替わるようにできているのである。それは実際に身を持って感じたことだし、常々吹聴していたのである。
ところが、今回帰省してみて、すでにそのスイッチが錆付いてしまっていたことを痛感することになった。とにかく、寒い。外は勿論のこと家の中もひとたび暖房を切れば、たちまち冷え切ってしまう。夜も布団の中は暖かいのだが、出ている顔がとにかく寒くて、ゆっくりと眠ることもままならない。朝は朝で、凍りついたサッシを開けるのに一苦労である。(厳寒の地でも煙草はもちろん部屋の外である。)おかしいなぁ、昔はこんなことなかったのになぁ、と思いつつ新年を迎えることになった。まあ、要するに歳をとって、体の順応力が低下してきたということなのだろう。これからは甲府あたりで一泊して体を慣らしたほうがいいかもしれない、なんて弱気なことを考え始めている。それでも、やはり正月を実家で迎えるというのは、それはそれで悪くないものだ。
初詣にも行かず、テレビとお餅とおせち料理を満喫しただけの、静かなお正月でありました。