道草の友(シンガーソングライター・大久保雅永の日々)

ライブ情報: 4/13(Sat)open:17:30 start:18:00 ライブハウスコタン(20:00頃出演)

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 ライブハウス・コタン
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道草な話

 というわけで、今月は楽しいことばかり考えてみることにする。僕が今、心から「楽しい〜!!」と思えることは何だろうか?
気の置けない仲間と心ゆくまで飲んで馬鹿な話をするというのはどうだろう。どこかのリゾートにある誰かの別荘が会場である。酒はいくらでもある。つまみもどんどん出てくる。ギターも置いてあって、気が向いたら誰かがそれを片手に歌を歌いだす。もちろん僕も歌う。疲れたらのんびり露天風呂に浸かってもいい。日が昇ったら自由時間である。眠ったり、ボーっとしたり、本を読んだり、散歩に出掛けたり、思い思いに過ごす。そして夜が来たらまた宴会である。そんなことを3日間ぐらい続けてみたい。
八重山諸島を放浪するのはどうだろう。島から島へ渡りながら、それぞれの島に滞在する。ホテルや旅館ではなく、民宿のようなところへ泊めてもらい、おばあと話し込んだり、自慢の三線を聴かせてもらったりする。それ以外はなーんにもしない。ただ食べて、眠って、海を眺めている。飽きたなと思ったら次の島へ渡る。そんなふうにして小さい島もくまなく回ってみる。全島制覇したら、一番楽しかった島へもう一度だけ行って、そして帰る。
自宅で、好きなだけ映画を観るというのはどうだろう。棚には僕の好きな映画のDVDがずらっと揃っている。テレビは今話題の大画面4Kである。冷蔵庫には美味い食べ物と、キリッと冷えたビールがたっぷり入っている。防音がしっかりしているから、大きな音でも平気である。そしてふかふかのリクライニングソファに座って、心ゆくまで映画を堪能する。飽きたら、寝る。
単独で野外ライブを決行するというのはどうだろう。会場は僕の熱心なファンでぎっしりである。いつまで歌っても僕の声とギターは絶好調で、観客のテンションも上がりっぱなしである。最後は激しい雨の中、全員で大合唱してフィナーレである。
ふらりと立ち寄った酒場で、酔いどれ詩人時代のトム・ウェイツに遭遇するというのはどうだろう。もちろんその酒場には古びたアップライト・ピアノが置いてある。ゴキゲンに酔っ払ったトムが、おもむろにピアノの前に座って、バラードなんか歌いだす。お客は自分たちの話に夢中で、それに気づかない。そんな店の片隅に座って、僕は食い入るように彼の歌う姿を見つめている。歌い終わったトムがそんな僕に気づいて、おどけた顔で軽くウインクしてみせる。
 あー、楽しかった。おやすみなさい。