道草の友(シンガーソングライター・大久保雅永の日々)

ライブ情報: 4/13(Sat)open:17:30 start:18:00 ライブハウスコタン(20:00頃出演)

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 ライブハウス・コタン
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道草な話

 突然の大量脱毛から、もうすぐ一年が経過する。今考えても、一体あれは何だったのかさっぱり分からない。去年の10月後半のある日を境に突然ぬけだした髪の毛は、とどまるところを知らず、2週間程で左頭頂部のほとんどがつんつるてんになってしまった。それからはあちこちに小さな円形脱毛がはじまり、最初は何とか髪型で凌いでいたけれど、どうにもならなくなって、行きつけの美容院に行って、丸刈りに近い状態にしてもらった。周囲の人達の驚きは相当なもので、会社では上司に呼ばれて理由を訊ねられたりした。僕自身はただただ呆然とするばかりであった。
 その時に美容師さんに、「これはかならず生えてきますから」と言われて涙が出るほど嬉しかったのは以前に書いたとおりである。それからしばらく皮膚科へ行って治療して、そのうちに内服薬が何となく怖くなって通院を止めて、春先になったらまた新たな箇所が脱毛して、といろんなことがあった。その間ももちろん日々の生活は続いていたわけで、髪の毛のことばかりを気にして生きていたわけではない。それでも鏡に向かえば嫌でも自分が禿げているという事実を思い出さないわけにはいかなくて、落ち込んだり、立ち直ったりの繰り返しであった。
 少し生えたような、そうでないような、また減ったような、を繰り返しながら時が過ぎた。外出時の帽子は必需品となり、お仲間らしき人達に目が行くようになった。改めて世間を見回してみると、様々な禿げ方があることが分かった。似たような禿げ方をしている人には共感を覚え、普通に禿げている人を羨ましく思ったりもした。左右対称に禿げている人の、何と自然なことか!たぶん、性格とかも知らないうちに変わってきているに違いない。社交的でなくなったとか、物事に対する取り組み方が積極的でなくなったとか。まあ、前からそうなんだけれど。
 さて、一年近く経過して現在の状態はどうかというと、自分としては「だいぶ戻ってきたかな」というところである。まだ、元通りというわけにはいかない。それでも、当時のことを思えば目覚しい回復である。果たして完全に復活するのかは、神のみぞ知るところである。場合によっては、再びあの悪夢が繰り返されるかもしれない。何せ原因が分かっていないのだ。
 一喜一憂の日々は、まだしばらく続きそうである。