道草の友(シンガーソングライター・大久保雅永の日々)

ライブ情報: 4/13(Sat)open:17:30 start:18:00 ライブハウスコタン(20:00頃出演)

(詳細はお店のHPでご確認ください)
 ライブハウス・コタン
 ホームページはこちら
          

道草な話

 先日、息子と一緒に「トイ・ストーリー」という映画を観た。子供のオモチャたちが主人公となって、しゃべったり冒険したりする話である。子供向けのアニメーション映画であるが、最近の傾向として、一緒に見る親もそれなりに満足する作りになっている。親たちだって当然子供だった時期があるわけで、昔を思い出したりするわけである。そういうノスタルジックな部分を巧みに織り込んで、時には涙腺を緩くさせるような仕掛けがあったりする。あるいは昔の名作映画へのオマージュのようなものが潜んでいてクスッと笑わせたりする。しかし子供にしてみれば、バリバリ現役なわけで、ノスタルジーやオマージュなどとは無縁である。だから、一緒に見ていても、笑ったり泣いたりする場面が違ったりする。それはそれで結構興味深い。
 この映画に出てくるオモチャたちの主人である少年は、時として子供特有の残酷さを見せたりもするが、基本的には自分のオモチャをとても大事にしている。そしてシリーズ3作目で大学生となる彼は、自分のオモチャたちを捨てることができず、最後はオモチャを大切にしてくれそうな子供に譲り渡すのであるが、その年齢まで自分のオモチャたちを大切にとって置いたことに驚いた。僕自身はそういった記憶がないのである。
 僕はどんなオモチャを持っていたかというと、「ミクロマン」と「少年サイボーグ」である。どちらも男性版リカちゃん人形といった感じで、服を着替えたり、武器を装着したり、乗り物に乗せたりして遊ぶのである。近所に仲良しの友達がいて、家が広くてしかもオモチャをたくさん持っていたので、しょっちゅう彼の家で遊んでいた。お互いのオモチャを持ち寄って、ストーリー仕立てで戦ったりするのである。僕が買ってもらったオモチャたちは、だいたい彼が持っていて、その影響で欲しくなったものである。しかしそのうち僕らの遊びはオモチャから外遊び(野球とか、川遊びとか、山遊びとか・・・)に移行していき、気が付くとオモチャたちはどこにも残っていなかった。親がそうっと処分したのかもしれない。それで特に文句を言った記憶もない。子供の興味は常に新しいものに向かう。
 買い与えたオモチャは大事にしてほしいけれど、それは使っている時期だけでいいと僕は思う。それよりも、どんどん新しいものにチャレンジしてほしいと、引っ込み思案な息子を見て思うのでありました。