道草の友(シンガーソングライター・大久保雅永の日々)

ライブ情報: 4/13(Sat)open:17:30 start:18:00 ライブハウスコタン(20:00頃出演)

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 ライブハウス・コタン
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道草な話

 旅にはハプニングがつきものである。たとえ帰省するだけであっても。
 その日、僕らは品川駅の新幹線ホームに立っていた。ゴールデンウイークということで、義父母のところへ遊びに行くことにしたのである。切符を確認し、該当する号車のところに並んで待っていた。列車が到着してドアが開くと、僕らは乗り込み、指定された席のところまで行った。ところが、僕らが座るはずの席に、別の乗客が座っているではないか。僕はムッとして彼らに声を掛けようとした。その時、僕の中である疑問が浮かんだ。慌てて切符をもう一度取り出して確認してみると、帰りの切符を見ていたことに気が付いた。結果、僕は大荷物と家族を従えて、正しい席へ行くために幾つもの車両を移動することになった。口の中でブツブツと言い訳をしながら、グリーン車の乗客の冷たい視線を避けるように歩いた。
 義父母のところに一泊し、翌日の昼に僕のリクエストで鰻を食べに行くことになった。僕はまだこの地方の名物である「ひつまぶし」を食べたことがなく、せっかくだからということで、ひつまぶしのセットを頼んだ。その鰻屋は義父母推奨の店で、確かに運ばれてきた鰻は味といい、焼き加減といい申し分がなかった。そしてその時になって僕は、細かく刻まれた鰻ではなく、大きな塊を口いっぱいに頬張りたかったことに気が付いた。隣で義父が食べている鰻重がとてもおいしそうだった。
 二日目の夜は皆でホテルに泊まった。夕食はバイキングで、時間になってレストランに行くと、混んでいるせいか、別室に案内されてしまった。静かなのはいいが、料理をとりに行くのがいちいち大変である。息子はトレイをひっくり返して泣き出すわ、レストランのほうでやっているショーは見れないわ、隣の席のカップルはスタッフが通るたびに席の不満をねちねちと言い続けるわで、せっかくの料理も味気ないものになってしまった。
 翌朝は息子の希望で前日に続きホテル内の温水プールに行くことになった。前日に二回目以降は無料だと受付の女性に聞いていたのだが、その日は前日とは違う老人が受付に座っており、いくら説明しても「そんなことは知らん」の一点張りである。何とか説得してフロントに確認してもらい、やっと納得してくれたのだが、更衣室でバスタオルを忘れたことに気づき、もう一度部屋まで戻る羽目になってしまった。
 えーと、全体としては楽しかったです。