道草の友(シンガーソングライター・大久保雅永の日々)

ライブ情報: 4/13(Sat)open:17:30 start:18:00 ライブハウスコタン(20:00頃出演)

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 ライブハウス・コタン
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道草な話

 息子が突然野球好きになった。いや、突然ではないのかもしれない。何年か前にグローブを買って、キャッチボールしたこともあるのだが、そのうちうやむやになった。ところが最近友達と遊ぶ時に野球をする機会が増えたようで、いつの間にか野球大好き少年になっていた。ゲームはパワプロ、Tシャツはジャイアンツ、お気に入りの選手は巨人の丸(裏切り者)である。こんなことになるとは思っていなかったので、僕は少々面食らった。でも、野球なら少しは相手ができる。何せ僕らの子供の頃の遊びと言えば野球しかなったので、サッカーとかバスケなんかと違って、ある程度は経験がある。小学校四年生の時に買って貰ったグローブだってまだ持っている。そんなわけで、休日に公園へ行ってキャッチボールをすることにした。

 久しぶりに緑の多い大きな公園に行った。いつもかなり混んでいるのだが、その日は思いのほか空いていて、周りを気にせずキャッチボールをすることができた。連日の猛暑でみんな疲れているのかもしれない。確かに容赦ない日差しが降り注いでいる。こまめに給水しないと厄介なことになりそうだ。

 軽いキャッチボールから始めて、次第に距離を広げていく。息子の投球フォームはかなり独特で、僕は何度もアドバイスしたのだけれど一向に直す気配がない。どうやら人に指摘されるのが好きではないようだ。それでもそのでたらめなフォームから時々いい球が来る。その球は僕のグラブに小気味よい音を立てて収まる。それは気持ちのいい瞬間である。よく父親が子供とキャッチボールをするのが夢だと言うけれど、なるほどそういうことかと納得する。力強いボールを受ける時、そこから子供の成長が伝わってくる。こんな球が投げれるようになったのかと感心してしまう。

 緑に囲まれて、青空の下でやるキャッチボールは気持ちがいい。これでマスクさえなければ最高なんだけどなぁ、と思う。今年も夏休みのブールは中止だ。子供にとって貴重な夏休みがこうして過ぎていくのである。そして親にとっても貴重な一年がまた無為に過ぎて行こうとしている。さてさて、どうしたものか。