道草の友(シンガーソングライター・大久保雅永の日々)

ライブ情報: 4/13(Sat)open:17:30 start:18:00 ライブハウスコタン(20:00頃出演)

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 ライブハウス・コタン
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道草な話

 兄から連絡があった。今年中に実家を処分することになったので、早目に捨てるものと捨てないものを確認してほしいという。そこでゴールデンウィーク中に、一度実家に行くことになった。他に用事もないので日帰りである。久しぶりに一人で「特急あずさ」に乗り込むことになった。先日の河口湖旅行の時とは打って変わって、絶好の行楽日和である。まあ、世の中は大体こういう風にできている。少なくとも、僕の場合は。
 久しぶりに訪れた実家は、誰も住んでいない割にはきれいに保たれている。兄の苦労が偲ばれる。仏壇に仲良く(?)並んだ両親に挨拶してから、荷物の確認を始める。
 自分の部屋の押入れには、様々なものが丁寧に梱包されてしまわれている。小さい頃の写真に写っていた立派な節分飾りも完全な状態で保管されている。つくづく親って偉いなぁと思う。いい年をして言うことでもないが、自分にはできない。段ボール箱の中にはぎっしりと小中高の教科書やらノートやらが詰め込んである。その一方で当時大事にしていた漫画やら、音楽雑誌やらは見当たらない。母の「取っておくべき物」リストには入っていなかったようである。残念だが、仕方がない。
 自分の部屋の確認を済ませてから、他の部屋を確認する。母は自分の部屋を持たなかったので、あまり私物が見当たらない。日記らしきものがあったが、ほぼ予定や事実で埋め尽くされている。まあ、日記に想いを綴るようなタイプではなかったことは確かだ。一方、父は自分専用の部屋を増築して、晩年はそこに篭っていることが多かった。そこもだいぶ荷物が整理されていたが、父のアルバムが見つかった。幼少期から恐らく結婚する前までの記録である。意外にも写真の保存状態が良いのに驚いた。あまり父の結婚前の人生については聞いたことがなかったので、なかなか興味深い。後は日記である。母とは違い、いろいろと気持ち(不安とか愚痴とか)が綴られている。多分、僕は父親に似ている。だからこんな文章を書き続けているのかもしれない。
 遺品整理の旅は、まだしばらく続きそうである。