道草の友(シンガーソングライター・大久保雅永の日々)

ライブ情報: 4/13(Sat)open:17:30 start:18:00 ライブハウスコタン(20:00頃出演)

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 ライブハウス・コタン
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道草な話

 小学生や中学生の頃、夏休みに何をしていたかと言われると、もう断片的にしか憶えていない。まず第一に思い出すのは、プールである。そもそも水泳部だったので部活としての活動もあったのだが、いわゆる普通のプールもあったので、なんか一日中プールにいたような気がする。当時はもちろん家にエアコンなんてものはなく、昼間は部屋にいてもダラダラ汗をかくだけなので、どうせ汗をかくなら外に出たほうがましということになる。そして外で涼しさを体感できるところといえば、なんといってもプールである。だから何も考えずに毎日プールへ出かけていた。プールというのは、一定時間でホイッスルが鳴り、全員がプールサイドに上がって休憩をする。その間、静まり返った水面を見つめているのが好きだった。もちろん再開のホイッスルがなったとたんに全力で飛び込むのだが。

 もう一つよく憶えているのが薬草採集である。これは地域性が強いイベントなので共感してもらいにくいかもしれない。田舎に行くと、道端に「オオバコ」という薬草(というか雑草)がわさわさ生えていて、これを集めて学校の備品を買おうという強制参加のイベントである。採取した薬草を天日で乾燥させ、巨大なネット状の袋に詰めて夏休み明けに学校に持っていく。そして体育館で重量を計って、指定された重量をクリアしていればOKである。重量が足りない、または生乾きであるなどの問題が発生すると提出し直しとなる。年貢みたいですね。近所の薬草が枯渇すると、友達と情報交換をして自転車で遠征する。大変だったけれど(そして嫌だったけれど)みんな真面目にやっていた。その当時の田舎の子供は、中学生くらいまでは一部を除いてみな素直だったのである。高校ぐらいからグレるのが一般的だった。平和な時代である。

 「夏休み」という言葉は憧憬を含んでいる。実際にはそんなに楽しいことばかりではないのだが、冬休みや春休みとは違うワクワク感がある。今の子供たちもそうなのだろうか。そうであってほしいと思う。