職場が恐ろしいほど寒い。エアコンの効きが良すぎるのである。(設定温度はちゃんと28度になっているのだが。)省エネだのエコだのが叫ばれはじめて久しいこのご時世に逆行するような所業である。いったいどうなっているのだろう。
外は猛暑である。したがって、職場に到着してしばらくは大変快適である。しかししばらくすると、半袖ではいられないほどの寒さを味わうことになる。慣れた人たちはカーディガンなんか羽織って仕事をしている。ひざ掛けのようなものを肩から被っている人もいる。僕はまだ半袖のままなので、露出した腕をさすりながら仕事をしている。このままだと体調を崩しそうだ。何とかしなければいけない。
昔、コンピュータールームで仕事をしていたことがある。そこは人間ではなく、コンピューター様のための部屋であるので、コンピューター様が快適な温度(20度前後)に常に保たれている。したがってその部屋で仕事をする人間達は、真夏でも分厚い作業着を着ている。出勤してきた、あるいは外回りをしてきた社員たちが、よくコンピュータールームに入ってきて、涼んでいたものである。セキュリティもくそもあったもんじゃないが、まあのどかな時代だった。しかし、そこに常駐している者にとってはたまったもんじゃない。昼休みに外出なんかしようものなら、温度差にめまいがするほどである。体にいいわけがない。
しかし今思うと、あのコンピュータールーム時代はなかなか楽しかった。他に誰もいなかったし、窓からの眺めも良かった。たくさん歌詞も書いた。(もちろん仕事の合間に、です。)時々顔見知りの女子社員がやってきて、しばらく雑談して帰って行ったりした。(ええと、雑談しただけです。本当です。)
基本的に一人、時々他人と交流、というのが僕に一番合っているライフスタイルだと今でも思っている。しかし人生というのは得るものもあれば失うものもある。まあ、そういうことだ。